相続放棄とは
→お亡くなりの方の遺産(相続財産)を
法律上相続する立場にある方(法定相続人)が、
相続による遺産の承継を全て放棄することです。
相続放棄が認められるためには、
対外的に相続放棄の意思を表明するだけでは足りず、
家庭裁判所に相続放棄を申述する手続が必要です。
相続放棄の申述が受理されれば、
その方は初めから相続人ではない扱いになります。
(民法第939条)
①添付書類の収集
・家庭裁判所に提出するための書類として
戸籍謄本や住民票等を収集します。
↓
②相続放棄申述書の作成、提出
・同書と添付書類等を、家庭裁判所に提出します。
・手続を担当する家庭裁判所が具体的にどこかは、
被相続人(お亡くなりの方)の
最後の住所地を基準として定まります。
・「申述書」の提出前に費用全額をお支払下さい。
↓
③「照会書」と「回答書」の受取
・「照会書」とは、「回答書」の記入と提出を
家庭裁判所が申述人に対して要求する書面です。
・「回答書」とは、相続放棄の申述に関する事実を
回答する書面です。
(「照会書」と一体の場合もあります。)
・これらは通常、申述書の提出後、
数日~数週間ほどでご自宅に届けられます。
・③は省略される場合もあります。
↓
④「回答書」の記入、提出(※)
・「照会書」に記載された期間内に、
「回答書」を家庭裁判所に提出します。
・③が省略される場合は④もありません。
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⑤「相続放棄申述受理通知書」の受取
・同書は、「回答書」の内容も考慮した上で
相続放棄の申述を特に却下すべき理由が無いと
家庭裁判所に判断された場合に発せられます。
(もし却下の場合は、却下の旨の通知です。)
・同書は通常、回答書の提出後、
数日~数週間ほどでご自宅に届けられます。
・被相続人(お亡くなりの方)の債権者は、
多くの場合、同書を提示されれば
取立の中止に応じます。
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さらに必要が有る場合・・・
⑥「相続放棄申述受理証明書」の申請と受取
・債権者が公的機関や金融機関である場合は、
「証明書」の提出を要求されることがあります。
・被相続人(お亡くなりの方)を相続する方が
いる場合にも、その方の相続手続のために
「証明書」が必要です。
※被相続人のお亡くなりから3ヵ月経過後に
「相続放棄申述書」を提出した場合
→申述の受理を特に慎重に判断されるので、
「回答書」の記入は、とりわけ注意が必要です。
状況次第では、「回答書」に記入した事実を
裏付けるための証拠書類の提出等も
さらに必要になる場合もあります。
注意:自ら、亡くなった方の預金を解約する行為や、
亡くなった方の債権者と交渉する行為なども、
相続放棄を行う場合は、一切お止め下さい。
これらは、法定単純承認(民921)として。
相続放棄と矛盾する行為とみなされかねず、
申述手続中に発覚すると、不受理とされたり、
受理後に発覚すると、相続放棄が無効である
ことを前提に債権者から相続人として支払を
求められたりする可能性が高くなります。
注意:申述が家庭裁判所に受理された後の
相続放棄の「撤回」は認められません。
後で悔やまれる結果にしないために、
相続財産の調査はもちろんのこと、
相続放棄により次順位の相続人に対して
与える法的な影響等の調査についても
予め行っておくことお勧めします。